5月12日(水)に第16回グループディスカッション練習会を開催しました。参加してくださった皆さん、ありがとうございました。
リピーターとして参加してくださる方も増えてきて、本当にうれしいです。
今日は、グループ内での役割ということについて、少しお話ししてみようと思います。
集団にある共通点
みなさんは、これまでにいろいろな『集団』に属してきましたよね。
大きな集団でいえば、学校、クラス、部活動、ゼミやサークルなども集団のひとつです。そして数人で構成される『気の合う仲間』も集団のひとつといえます。
今挙げたいくつかの集団は、人それぞれ違う集団ですが、それでもある共通点をみつけることができるのですが、それは何だと思いますか?
自分の役割
それは『それぞれひとりずつに集団内での役割がある』ということです。
どういうことでしょうか。
例えば小グループの『気の合う仲間』での自分のことを思い浮かべてください。
仲よくしている友人4人と旅行に行くとしたらどのように行き先を決定するでしょうか。
必ず取りまとめをする人がいるはずですよね。この人はリーダーという役割でしょう。そしてそのリーダーと一緒に話を進めていく人もいると思います。その人はリーダー補佐という役割でしょう。自分の行きたいところややってみたいことをいくつか挙げる人は、積極的発言者という感じですね。
では、「どこでもいいよ」という感じで、あまり発言が多くない人はどういった役割があるのでしょう。
「どこでもいいよ」という人は、あまり考えがないのでしょうか。きっとそんなことはないですよね。
「どこでもいいよ」を言い換えると「ほかの人が行きたいところに行くよ」ともいえますね。「特に強い希望がないから、ほかの人の好みに合わせるよ」ということです。
表現は消極的ですが、自分の考えがないということではありません。
こういったタイプの人は、自分はグループディスカッションが得意ではないと思うことが多いように思いますが、実はそんなことはありません。
そのままでも、ちょっとした工夫で、自分らしくディスカッションに参加できますよ。
船頭多くして船山に上る
このようなことわざを聞いたことがあるかもしれませんが、このことわざの意味は、簡単にいうと、このような感じです。
一艘の船にたくさんの船長さんがいると、方向が定まらずに行き先と全く違う方向に進んでしまうという意味で、リーダーが何人もいると物事がうまくまとまらず、見当違いに進んでしまってうまくいかないということを表しています。
『船頭は二人いらない』ということもありますね。
グループディスカッションのメンバーに、リーダー的な人ばかりが存在し、それぞれがリーダーシップをとろうとすると、よいディスカッションにならない可能性が高くなります。積極的発言者が多いほど、まとめるのは難しくなってきます。
あまり自分の意見をいわない人は、『話し合いの方向を乱さない』という役割を担っていているので、実はとても大切な役割である場合もあるのです。
同意を表す
ですが、それでは何もいわずに、頷いているだけでいいかといえば、そうではありません。けれど難しく考えなくても大丈夫です。
自分も同じ意見を持っているということを伝えればよいのです。
できれば、「私も○○さんと同じ考えです」というだけよりは、
「私は△△と考えています。これは○○さんが先ほど話していたことと同様の考えです」
という風に私はこう考えている。それは○○さんの考えと同じだ。と誰かと同じ考えでも、自分の考えとしていってみる方法がおすすめ。その際は、先に同じ考えをいった人を立ててくださいね。それがあるとないとでは大違いです。
ちょっとした一言
さて、ディスカッションでこういったタイプの人にぜひ活躍してほしい場面があります。
それは話し合いが途切れてしまったとき。
話し合いが途切れる理由はいくつかありますが、何となく煮詰まっている感じがするときに、その場の空気を換えた方がよいときがありますよね。そんなときは、リーダーになっていない人でも、ぜひ声をあげてみてください。
たとえば、
「少しここまでをまとめてみましょうか」
とか、
「話が煮詰まってしまった感じですよね」
「いろいろな案がでましたね」
「まずは何から話をすすめていきましょうか」
など、ちょっとしたきっかけになるような言葉を投げかけるだけで大丈夫です。
きっとその後は、リーダー的な人が、その先は自分の出番だと思ってくれるはずです。これは他力本願で無責任な投げかけではなく、とても思いやりのある、そして大切な役割なのです。
まとめ
人には得意不得意があり、そしてそれぞれが皆、それぞれの役割をもっています。
自分だけが何もできないなどということはありません。
目立つことばかりがよいことでもありません。
いつでも自分らしく、これからもディスカッションを楽しんでほしいと思います。