野菜は毎日とりたい食材のひとつ。最近は産地や生産者さんがよくわかるように記載されていることが多くなりましたね。
今回は、小学校5年生の社会科で学習する『日本の農業』という視点から、地産地消を考えてみました。
国産野菜のエシカル消費
さてみなさんは、野菜を購入するときに生産地は確認されていますか?私は野菜はできる限り『国産』と決めているので、必ず産地を確認しています。
輸入野菜を否定しているわけではありませんが、野菜は鮮度が大切なので、国内でつくられたものの方が新鮮と思ってのことです。
また地元でつくられたものには、『朝採れ』など、その日の朝に収穫したものが店頭に並ぶこともあります。地元でつくられた野菜なら、産地は気にしなくていいですよね。
国産の野菜を購入する。地元で採れた野菜を購入する。こういった行動はまさに『エシカル消費』につながる行動のひとつでもあります。
さて、今回は野菜の中で『かぼちゃ』にスポットを当て、国産と輸入についてザックリと考えてみました。
かぼちゃの生産量
日本ではかぼちゃの生産量の第1位は北海道。なんとなくイメージがありますよね。
続いて、鹿児島県、茨城県となっています。
順位 | 都道府県 | 構成比 |
1 | 北海道 | 49.9% |
2 | 鹿児島県 | 5.6% |
3 | 茨城県 | 4.1% |
参考:平成24年産野菜生産出荷統計
(農林水産省HP:https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kensaku/hin5.html)
かぼちゃの輸入
かぼちゃは輸入もされていて、おもな輸入先はニュージーランド。輸入かぼちゃの約半分はニュージーランド産です。そして次に多いのはメキシコのかぼちゃです。(参考:財務省貿易統)
ニュージーランドは南半球の国で、季節が日本と逆になっていますね。メキシコは四季の変化がなく、一年中同じような気候です。
日本では、かぼちゃが収穫できない時期に輸入に頼ることによって、一年中安定してかぼちゃをいただくことができるようになっているということなのです。
とくに日本では、冬至にかぼちゃをいただくという慣習がありますね。けれど、実はかぼちゃの旬は夏から秋にかけてなので、収穫できない時期にたくさんの需要があるため、かぼちゃを栽培している国から輸入をしているというわけです。(理由はそれだけではありませんが・・。)
ちなみに日本ではわざわざ冬にかぼちゃを食べるという慣習があるのは、かぼちゃは保存がきく野菜で、栄養価が高いというのが理由。
昔は、寒くなり風邪などが流行る冬にいただくことができる野菜がほとんどなかったたそうです。カロテンが豊富で栄養のあり、そして保存がきくかぼちゃを食べることで健康に暮らそうという昔の人の知恵が、この時期に『冬至にかぼちゃ』という慣習になったと考えられています。(参考:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/kids/crops/pumpkin/column02.html)
ふだん食べているかぼちゃ
私たちが一般的に『かぼちゃ』と呼んでいるのは、『えびすかぼちゃ』で、日本のお店によく並んでいるもののほとんどが西洋かぼちゃの『えびすかぼちゃ』です。
時々『栗かぼちゃ』も並んだりしますが、こちらも西洋かぼちゃの仲間ということです。西洋かぼちゃの日本品種というそうです。なんと、栗えびすというものもあるそうです。
日本の農業の特色
小学校5年社会科では、『我が国の主な食糧生産物の分布や土地の利用の特色』を調べる学習をします。
かぼちゃのように、本来は夏から秋が旬である野菜は、日本ではその時期にしか栽培できません。つまりそれぞれの風土にあった食物を栽培していることでもあると考えられます。
それは、その時期にしか栽培できない野菜だからこそ、風土にあっている食物が育つともいえるわけです。
小学5年生では、農業が盛んな地域、たとえば北海道がたくさんのかぼちゃを栽培して、出荷してくれることで、私たちが国産のかぼちゃをいただくことができるということを理解するための学習をします。そして農業によって国民の食生活は支えられていること、食生産の意味を考えることが大切な学びとなります。
そういったことを十分に理解している私たちおとなは、今の日本の農業を支えるうえでも、感謝の気持ちを込めて、消費者として国産野菜を購入していきたいものですね。
日本の農業を守るためにできること
ひとりの消費者が大きなことはできないかもしれませんが、『はちどりの一滴』のように、小さなひとつは大きなひとつの一部にはなるものです。
ある日突然、何かの理由で輸入ができなくなったとき、日本を守るのは国内で生産されている野菜かもしれません。
自分でできる、自国でできるということは大切にしなくてはならないことですよね。
野菜生産者に感謝する
小学校で子どもたちと学習をすると、子どもたちは純真に『感謝』の気持ちを表します。
たとえば、
「社会の勉強をして、野菜をつくってくれている農家の人に感謝したいと思いました」
「野菜を作ってくれる人がいるから私たちが健康でいられると思いました」
などです。
野菜が販売されていることが当たり前。より安価で購入したい。などということにとらわれやすくなるのは、おとなゆえのことかもしれません。
けれど、本当にそれでよいのかな?そんなことを自問自答してみるのも大切なこと。
まとめ
日本の風土にあった野菜を、丹精込めて作ってくださる農家さんの野菜をおいしく、たくさんいただきたいですね。また都会でも、郊外で野菜作りをしている農家さんも意外に多いもの。そんな地元の農家さんの野菜を購入し、SDGsに貢献することも素敵ですね。