みなさんは、座右の銘を決めたいと思ったとき、かっこいい言葉や賢くみえそうな言葉を選びたくなりませんか?
そうですよね。
他の人によくみられたいと思うのは、ものすごく当たり前の気持ちです。
けれど、かっこいい言葉を使うだけでは、本当のかっこよさとは言い難いですよね。
このコラムでは、そういった気持ちも踏まえながら、自分にピッタリの座右の銘を、どう選んだらよいかということを考えてみたいと思います。
長所と短所
人には必ず、長所、短所といわれる部分があるものですが、自分が長所と思っているところは、ほかの人も長所とみてくれているでしょうか。
また短所と思っているところを短所とみられているのでしょうか。
自分の長所や短所をあげるとき、それらは、自分自身のフィルターからみているものですよね。
自分の価値観や置かれた環境などから、今の自分を捉えた長所であり、短所です。
また長所や短所は、ずっと同じだったかというと、そうでもなかったりするものです。
よくよく考えてみると、長所や短所というものは、その時々に変わることがあるもの、そして立場や視点によって違いがあるもので、あるようでない、ないようであるという、とても曖昧なものです。
面接で聞かれるワケ
それなら、なぜ面接などで長所や短所を聞かれることが多いのでしょうか。
ここからは私の経験からお話させていただきますので、1意見として捉えてください。
私は、多くの子どもたちや保護者と接してきたので、『長所・短所を聞く』という場面にも出会ってきました。
その時、私が長所や短所を聞くのは、単に長所や短所を知るためではありませんでした。
長所や短所を知るには、多くの時間が必要です。あえて先入観をもつ必要はありません。
ではなぜ長所や短所を聞くのでしょうか。
それは、自分の長所や短所を話すことから、自分をどう観て、どう判断し、そのことについてどう思い、長所・短所をどう扱っているかということを知りたいからです。
大学生が就活などの面接で、「自分の長所や短所について話してください」と尋ねられたとしたら、もしかすると面接官は次のような観点でみていることが考えられます。
- 自分の事を客観的にみることができているかな?
- 自分の日々の行動を冷静に振り返ることができるかな?
- 自分の考え方を何かに照らし合わせて、よいことかよくないことか判断しようとしているのかな?
もちろん、たった数分の面接で、その人の物事の見方や考え方がわかってしまうわけではありません。
けれど、人はそう簡単に嘘をつけるものではありませんし、本心でないことを流暢に話すことも難しいですよね。
会話の中で、『いつもの自分』が垣間見えやすい長所や短所を言ってもらう質問は、面接をする側にとっては相手を知りやすい質問と考えていることも多いと思います。
長所・短所と座右の銘
さて、その『長所・短所』と『座右の銘』はどのような関係があるというのでしょうか。
『座右の銘』を選ぶときは、意識をしている、していないに関わらず、自分の長所・短所を支点にして選んでいるのではないでしょうか。
つまり『座右の銘』は、
自分の長所を生かしたいと思ったり、
自分の短所を補いたいと思ったり、
あるいは改善したいと思ったりすることから選ばれることが多いということです。
面接の質問で、「自分の長所と短所を教えてください」という質問のあとに、「座右の銘はありますか?」と聞かれることが多いのもそういったことからかもしれません。
となると『座右の銘』は、自分の長所・短所をより意識して選ぶ方がよいですよね。
共通理解のある言葉
さてみなさんは、自分の長所は?短所は?と聞かれてすぐに答えることができますか?
突然聞かれると迷ってしまいますね。
長所も短所も紙一重で、どちらと捉えることもできるものもありますよね。
だからこそ『座右の銘』をもっていることは便利で、共通理解のある言葉、ことわざや故事成語などを使うことによって、本意を伝えることができるわけです。
『座右の銘』は自分の長所、あるいは短所を上手に伝えるツールとして、非常に有効に使える術だということがわかりますね。
座右の銘を聞くワケ
『座右の銘』を聞くことは、長所・短所を聞くことと同様に、自分を客観的に、俯瞰して冷静にみることができるかという判断にも活用できます。
自分をわかって、座右の銘を選んでいると感じれば、いろいろな物事を冷静に、客観的にみることができる人なのではないかと思いますよね。
繰り返しになりますが、もちろんそれだけで、その人となりがわかるわけではありませんが。
このような視点で考えると、『座右の銘』も、選んだ言葉がどのようなものであっても、その言葉自体にはあまり重要性はないと感じますね。
座右の銘に何を選ぶということよりも大切なのは、むしろ、なぜそれを選んだかという理由にあるということかもしれません。
何を選び、それを自分の長所や短所などにどう当てはめて考えたか、さらにその『座右の銘』をどう活用しようとしてきたか、またはしようとしているか。
そのことをしっかりと伝えることができる座右の銘を選ぶことがとても大切ですね。
まとめ
『座右の銘』を選ぶことに迷っているのであれば、
ポイント
・自分の長所を生かしたい言葉
・自分の短所を補いたい言葉
・自分の長所・短所から目指したい、自分の目標にする言葉
などをみつけてみましょう。
そうすれば、
『座右の銘』が独り歩きをすることなく、『自分の座右の銘』になり、伝えたいことは自然と生まれてくるはずです。
そして、
『座右の銘』に紐づくエピソードも添え、自信をもって相手に伝えてみてください。
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