不登校児童への支援の在り方について

教員採用試験

不登校児童生徒への支援の在り方について|その1

 

不登校児童への支援の在り方について

令和元年10月、文科省より『不登校児童生徒への支援の在り方について』の通知が出されました。

不登校については頻出です。重要なところを2回にわけて解説していきます。

『不登校児童生徒への支援の在り方』通知内容

まず、さっそく通知の内容を確認していきましょう。

通知は、次のような構成で示されています。

1.不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方

2.学校等の取組の充実

3.教育委員会の取組の充実

この中で、教員採用試験対策として大切なのは1と2の部分です。

今回は、1について、重要点をお話していきます。

不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方

まず、通知内容を確認していきましょう。

以下は、通知から抜粋したものです。

(1)支援の視点
不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。また,児童生徒によっては,不登校の時期が休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある一方で,学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること。

(2)学校教育の意義・役割
特に義務教育段階の学校は,各個人の有する能力を伸ばしつつ,社会において自立的に生きる基礎を養うとともに,国家・社会の形成者として必要とされる基本的な資質を培うことを目的としており,その役割は極めて大きいことから,学校教育の一層の充実を図るための取組が重要であること。また,不登校児童生徒への支援については児童生徒が不登校となった要因を的確に把握し,学校関係者や家庭,必要に応じて関係機関が情報共有し,組織的・計画的な,個々の児童生徒に応じたきめ細やかな支援策を策定することや,社会的自立へ向けて進路の選択肢を広げる支援をすることが重要であること。さらに,既存の学校教育になじめない児童生徒については,学校としてどのように受け入れていくかを検討し,なじめない要因の解消に努める必要があること。
また,児童生徒の才能や能力に応じて,それぞれの可能性を伸ばせるよう,本人の希望を尊重した上で,場合によっては,教育支援センターや不登校特例校,ICTを活用した学習支援,フリースクール,中学校夜間学級(以下,「夜間中学」という。)での受入れなど,様々な関係機関等を活用し社会的自立への支援を行うこと。
その際,フリースクールなどの民間施設やNPO等と積極的に連携し,相互に協力・補完することの意義は大きいこと。

(3)不登校の理由に応じた働き掛けや関わりの重要性
不登校児童生徒が,主体的に社会的自立や学校復帰に向かうよう,児童生徒自身を見守りつつ,不登校のきっかけや継続理由に応じて,その環境づくりのために適切な支援や働き掛けを行う必要があること。

(4)家庭への支援
家庭教育は全ての教育の出発点であり,不登校児童生徒の保護者の個々の状況に応じた働き掛けを行うことが重要であること。また,不登校の要因・背景によっては,福祉や医療機関等と連携し,家庭の状況を正確に把握した上で適切な支援や働き掛けを行う必要があるため,家庭と学校,関係機関の連携を図ることが不可欠であること。その際,保護者と課題意識を共有して一緒に取り組むという信頼関係をつくることや,訪問型支援による保護者への支援等,保護者が気軽に相談できる体制を整えることが重要であること。

文科省HP:『不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)』令和元年10月25日 より抜粋

 

上記の支援に対するの基本的な考え方の中で、問題としてピックアップされやすいのが(1)と(2)。

支援の視点はどこにおくのか、そして学校は、どのような役割を担っているのか、というところをしっかりとチェックしておきましょう。

とくに赤字のところが重要です。

まとめ

次回は、『2.学校等の取組の充実』について、お話していきます。

不登校に関する内容は、実際に先生になってからも向き合うことになる問題のひとつなので、基本的な部分をしっかりと覚えておくと役に立ちます。

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